K二丁目

本の感想と、日常と。

弁理士とは何かを知るときの本

 私はとある製造会社に勤務しており、しかし事務屋のため、自分の会社の製品について深く知らない。もちろん、何を造っているだとか、何に使われているだとかは説明することができるが、技術的なものはほとんど知らない。営業ならまだしも、会社をサポートする仕事を担当しているため、説明の必要にかられることもなく、正直困ることはない。でも少し、せっかくの製造業なのだから、それには寂しく感じることもある。「事務仕事だから仕事ないな」と割り切ってはいるものの、ある部署はそれに近い業務もあり、申し出るほどではないものの、異動できればと思うこともある。具体的には特許に関係する部署だ。この部署での仕事の内、もし外注するとなると、弁理士という職業の方に相談するらしい。

弁理士とは一体どういう職業だろうか。

弁理士は、優れた技術的思想の創作(発明)、斬新なデザイン(意匠)、商品やサービスのマーク(商標)に化体された業務上の信用等を特許権意匠権、商標権等の形で権利化をするための特許庁への出願手続代理や、それらの権利を取消又は無効とするための審判請求手続・異議申立て手続の代理業務を行うものである。また、弁理士は、近年の知的財産権に関するニーズの多様化に伴い、ライセンス契約の交渉、仲裁手続の代理、外国出願関連業務等を含む知的財産分野全般に渡るサービスを提供するなどの幅広い活躍が期待されている。

wikipedia

だそうである。

弁理士の仕事

 しかし、あまりイメージできない。興味を持てば最近すぐに本を探す。また面白い本に出会ってしまった。「『男前マスク』と『王女のマスク』: 留目弁理士 奮闘記!」という本だ。なかなかタイトルの意味がわからなかったが、読んでみるとなるほど、どうやらとある弁理士とマスク製造会社とのストーリーで、そこにこの男前マスクと王女のマスクが登場するようだ。もちろん、マスクをつけると王女になったりするわけではない。男前には、なるかもしれない。登場人物それぞれの背景から始まり、身近に感じられるキャラクターが性があり、展開も面白く、内容も突飛でありえなさそうなものではない。今もどこかで起きていそうだと、そう思えるようなストーリーだ。弁理士という仕事が把握でき、かつ面白くやりがいのありそうな職業に見える。一方で書類、明細の作成、各種手続き等、現実的な細々した仕事にも触れているが、これも面白そうだと思えるのも、私が社会人になったから感じることなのだろうか。

弁理士のイメージ

 基本的に特許や商標登録はなぜ行うかというと、大事な発明や発見を他の模倣から護る為だ。自社で開発した技術を、簡単に他社に真似されては苦労が報われない。そうした社会では研究が消極的になり、革新も発展もなくなってしまう。弁理士と弁護士は字面が似ているが、護ることを生業としていることを考えると、その点も似ている気がする。