K二丁目

本の感想と、日常と。

忙しさがもたらす平常心

 連休明け初日。精神的にも体調は決して良いとは言えず、生活リズムが崩れていたせいで寝不足だったものの、初日という不安からいつもより早く出社する。凍っていたフロントガラスを溶かし、冷え切ったハンドルに手をかけ、車を走らせた。道がすいていたため車は快調であったが、その逆気の重さは余計に増していた。会社までそう遠くもなく、あっというまに到着してしまう。

 休み明けに気が重くなるのは大抵の人もそうだと思っているが、特にこの日は今朝からため息を繰り返していた。というのも、かねてより想いを寄せていたが、年末にあえなく振られてしまった人に、それ以来初めて顔を合わすことになるからだ。他に出会う人もおらず、恋愛経験の薄い私は、こうなることを回避できなかったのだ。

 しかし仕事の忙しさが、その気まずさを遠ざけていてくれた。気が付いたら、いつも通り会話をすることもできていたことに、精神的な安定を取り戻すことができた。帰りの車中では、すっかり休みの気分が抜けていて、いつも通りの感覚に戻っていた。