K二丁目

本の感想と、日常と。

いつも目の前しか見ていない

 今回の成人式も、新成人たちの暴力や飲酒によるニュースを目にする。もうそんな時期だったか、と思えば、センター試験も間もなくだ。今年のセンター試験日は、強い寒波に見舞われる予報で、「受験者には、体調管理をしっかりとしてもらいたいな」などと思ってしまう自分自身に、月日が経つことの速さをここでも感じさせられた。

 思い起こすと、自分のセンター試験は可成り気楽なものだった。というのも、国立大学を受けることもなく、初めから一般試験に的を絞っていたからだ。とりあえず受けておく、くらいの気持ちしかなかった当時の私は、出願費用等も全く頭になく、適当な学生と言わざるを得なかっただろう。それでも、幸か不幸か高校は所謂進学校で、卒業後に進学する者が殆どであったため、周りに合わせるようにそれなりの勉強はしていた結果、なんとか大学には合格することができた。

 幸か不幸か、というのはつまり、環境に合わせるように自分の人生を決めていったことが、自分にとって良かったのかどうかわからないのだ。行ける大学に行き、内定をもらった会社に勤める。それが幸せだといえばそうかもしれないし、こんなことを悶々と考えてしまうことが不満がある証拠かもしれない。大学までは、適当に過ごしていても、数年が経てば別の環境に身を置くことになるため、不安ながらも新鮮な刺激が待っていた。ところがどうだろう、社会人になってみれば、数年後、数十年後は会社の先輩、上司という具体的なイメージが目の前にある。中身がどうかというより、福袋の中を、見てしまったのだ。